配送、建設、製造、介護。体を使って働く仕事には、共通した問題があります。手を止めた瞬間に収入がゼロになることです。その理由の多くは管理コストにあります。人を管理するために人を雇い、その人件費が現場で働く人の取り分から引かれていく。AIが変えられるのは、まさにそこだと考えています。
現場の業務を洗い出し、人がやるべき仕事と、人がやらなくていい仕事に分けます。
人がやらなくていい業務をAIに渡します。いま使っている道具の延長で動くようにします。
浮いたコストを、現場で働く人の報酬に回します。ここまでやらないと、ただの効率化です。
この業界で、現場と管理の両方を見てきました。ドライバーが辞めていく理由も、会社が手数料を下げられない理由も、どちらも近くで見てきたつもりです。
配送会社の手数料は、多くの場合「管理業務にかかる人件費」が原資です。配車を組み、シフトを調整し、日報を確認し、請求書を作る。この仕事は必要ですが、荷物は運んでいません。台数が増えれば管理者も増え、その分だけドライバーの取り分が削られていく。これが業界の構造でした。
おかしいと思ったのは、辞めていく人の理由です。稼げていないから辞めるのだろうと思っていました。実際は違いました。稼げている人ほど、ある日いなくなる。理由を聞くと、だいたい同じことを言われます。このまま続けて、10年後どうなっているのかがわからない、と。
稼げるかどうかと、続けたいかどうかは、別の話でした。それに気づくのに時間がかかりました。
だから、走った分だけで終わらない仕組みを作ることにしました。管理業務をAIに任せれば、管理者を増やさずに台数を増やせます。浮いた分は、現場を支えている人に渡せる。育てた人が定着すれば、育てた側にも手当が出る。続けた年数が、そのまま収入に乗っていく。
まだ小さな会社です。ただ、広げることよりも、いま任せていただいている配送を一つも落とさないことを優先しています。近い場所に、確実に動ける体制を積み上げていく。それが私たちの選んだやり方です。
この構造は、配送以外の現場仕事でも同じだと思っています。順番に広げていきます。